高校留学のこんな場合
後者は、「Bフォン」や「Vジン」「オレンジ」などの看板をいたる所に見ることが出来る。
増えたものがあれば当然、姿を消したものがある。
長い歴史を持つ小さな商店が、いつの間にかひっそりと店を閉じている。
いい例がセントポール寺院近くのボウレーンである。
この道は、その名からも分かるように、有名なボウ教会の脇にある細長い石径である。
ここについ数年前まで、靴屋や時計屋など、さまざまな小さな店が並んでいた。
何となく中世の雰囲気が漂う、味わいのある道であった。
私は好んでここを散歩したものだ。
また、日本から知人が来ると決まってこの通りに案内した。
皆、一様「ああ、これはいかにもイギリスらしいいい道だね」と言って喜んでくれた。
しかし、このボウレーンもすっかり変わってしまった。
靴屋や時計屋は店を閉じ、代わりにコンビニやコーヒーショップが登場した。
現代風のワインバーがにぎわい、夜ともなれば酔客が騒がしい。
石畳はそのままだが、歴史の匂いがする小さな店が次々に姿を消し、この小径がかつて持っていた味わいというものが、すっかりなくなってしまった。
ボウレーンのすぐ近くにあったシャシとネクタイの専門店も、小さい店ながら、百年の伝統を誇る老舗だったが、いつの間にか携帯電話の店に変わってしまった。
おそらく商売がやりにくくなって、店主が手放したのだろう。
しかも、その界隈に、けばけばしい看板を掲げた同じような携帯電話の店が何軒もあるのだ。
かつてロンドンに住んでいて久しぶりに日本から来た人は、「ロンドンは変わった」と驚く。
十年程前に比べればはるかに景気がよくなり、活気に満ちている。
そして、それに歩調を合わせるかのように街並みも大きく変わったが、必ずしもいいことばかりではないように私には思える。
何よりも不思議なのは、このような急激な変化をイギリス人が黙認していることである。
イギリス人は保守的で、急速な変化を好まないというような固定観念が私たちにはあるが、それはどうも違うようである。
いや、新世紀に移行するにあたってイギリス人もまた変質しつつあると考えた方が、適切なのかも知れない。
イギリスでは数年前まで、商店は日曜日には営業しないものと決まっていた。
今は、ほとんどの商店が営業している。
それどころか、大手のスーパーマーケットはほぼ年中無休で、しかも平日は三十四時間営業している。
以前、イギリス人はこのようではなかった。
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